欧州の連邦化は「避けられない」 バローゾ欧州委員長
ロンドン(CNN) 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長は13日までに、ユーロが財政危機を乗り越えるには欧州の連邦化は「避けられない」と述べた。CNNのインタビューに答えた。
12日の欧州議会でバローゾ委員長は施政方針演説を行い、ユーロ圏の債務危機を食い止めるために欧州の統合強化を提唱していた。
バローゾ委員長はCNNに対し、「単一通貨の行く末は、公の機関やその背後にある政治構造の信頼性にかかっている。だから私は(連邦化は)実現すると考えている」と述べた。
またバローゾ委員長は「共通通貨や銀行の監督、国家予算の共通した監督をはじめとする分野では、主権の共有が必要だ」とも語った。
すでに欧州は、ユーロ圏を危機から救い出すために、一体化した動きを見せ始めている。欧州中央銀行(ECB)による加盟国の国債買い取りプログラムもその1つだ。
欧州委員会は12日、ECBの権限強化案を発表した。ECBにユーロ圏の6000行を超える銀行の監督権限を与えるというもので、主権や監督権限を奪われることを恐れるドイツなどからは懸念の声が上がっている。
だがバローゾ委員長は「銀行は多国展開しているのに監督が国別だったせいで、欧州の市民は非常に高いツケを払わされている」と主張。また、「あくまでも共有主権であり、各国政府から権力を移すわけではない」として、加盟各国の主権を脅かすことにはならないと述べた。
またバローゾ委員長は、統合は国際競争に打ち勝つ唯一の道だと語る。米国や中国などの大国が台頭する中では「欧州の最も大きな国でも、1国ではグローバルに問題に対処するには力不足だ」との考えを示した。