パキスタンのKFC全店舗が閉店、反イスラム映画デモ多発で
ニューヨーク(CNNMoney) ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)などを展開する米ファストフード大手ヤム・ブランズは21日、パキスタン内で運営するKFC全店舗の営業を中止すると発表した。
イスラム教の預言者ムハンマドを中傷したとされる米国映画がパキスタン内で抗議デモを引き起こしていることを受けた予防措置。同国北西部のマルダン市や南部カラチなどでは21日、映画に反発したとみられる群衆が銀行や映画館、政府庁舎などを襲って略奪、治安部隊とも衝突し、少なくとも15人が死亡した。
中東レバノンでは9月14日、KFC店の他、米系の2チェーン店が襲われ、放火される事件が起きている。
ヤム・ブランズの報道担当者はパキスタンの全店舗の再開時期については情勢を見極めながら決定すると述べた。
KFCはパキスタンの21都市で60店舗以上を展開。イスラム教国にも活発に進出し、子会社であるKFCアラビアは中東諸国の11都市で店を運営している。
ムハンマドをやゆしたとされる米国映画はイスラム教徒の激しい反発を招き、中東諸国を含め世界各地で抗議デモを多発させた。リビア東部ベンガジでは米領事館がロケット弾攻撃などを受け米大使を含む館員4人が殺害されている。同大使殺害を受け、米政府は9月17日、パキスタン駐在の米大使館を閉鎖した。