787型機エンジンに新たな欠陥、ファン軸に亀裂 NTSB
(CNN) 米運輸安全委員会(NTSB)は29日までに、米ボーイング社の新型旅客機787型「ドリームライナー」のエンジンに新たな欠陥が見付かったと発表した。
同型機は今年7月28日、米サウスカロライナ州のチャールストン国際空港で走行試験を実施していた際にエンジンが故障。燃えた破片が駐機場近くの茂みに飛び散り、小規模の火災を引き起こしていた。乗客はおらず、負傷者も出なかった。
NTSBの公式サイトによると、新たな不具合が見付かったのは米ゼネラル・エレクトリック社(GE)が製造したGEnx-1B型のターボファンエンジンで、ファンの軸部分に亀裂があったという。
航空機に積まれ使用中だった同エンジンの全面検査で判明した欠陥で、ファン軸の亀裂があったエンジンを搭載していた787型機に飛行の記録はなかった。亀裂の原因などは明らかでなく、NTSBで調査を続けている。
7月にエンジン故障が起きた787型機はファン軸の亀裂が今回見付かったものとは別の機となっている。
GEnx型エンジンは米オハイオ州シンシナティのGE工場で製造されている。
ドリームライナーは昨年、日本の全日空に初めて納入された。引き渡しは当初計画から3年遅れ、開発費も数十億ドル単位で超過していた。世界最先端のハイテク機とされ、機体の大部分に軽量のカーボンファイバーが使われ、他の航空機と比べ高い燃費効率を誇る。
米国の航空会社では大手ユナイテッド航空が今年11月、他社に先駆け国内線に初めて就航させる予定。