スペイン、赤字削減に向けた予算案発表 新監督機関を創設
マドリード(CNN) スペイン政府は27日、来年度の予算案を発表し、歳出削減と増税、構造改革を実現し、財政赤字削減を目指す姿勢を明らかにした。政府はまた、財政状況を監督する新たな機関の創設も表明した。
政府は公務員給与を3年連続で凍結する一方、経済分野の強化を目的とした43法案からなる「ロードマップ」を提示した。
サエンスデサンタマリア副首相は予算の編成について、年金や奨学金、債務の利払いが増える一方、全省庁で平均12%予算をカットし、財政赤字の削減を目指す方針を表明。「危機の時に作られた、危機から脱出するための予算案」と説明した。
ラホイ首相は7月、増税や公的部門の縮小により今後3年間で650億ユーロ(約6兆5000億円)の歳出削減を行うと表明していた。
スペイン中銀は26日、今年の7~9月期の国内総生産(GDP)の成長率をマイナス1.3%と予想、3四半期連続でマイナス成長になるとの見通しを示した。英調査機関キャピタル・エコノミクス・ロンドンのエコノミスト、ベン・メイ氏は「経済は当分の間、低成長が続く可能性がある。さらなる緊縮策が必要になるだろう」と分析する。
不況と高い失業率にあえぐ国内では、緊縮策への反対の声も上がっている。25日には首都マドリード中心部で緊縮財政策に反対するデモ隊と警察が衝突、28人が負傷した。政府によれば、今年に入ってマドリードでは約1900件のデモが起きているという。