サウジで発行のカタログ写真から女性を消去、イケアが謝罪
(CNN) スウェーデンの家具大手イケアがサウジアラビアで発行したカタログの写真を加工して、女性の姿を消していたことが分かった。イケアは3日までに写真の加工を認めて謝罪している。
女性の姿が消してあったのは、イケアがサウジアラビアで配布した家具のカタログ。例えば洗面所の写真の場合、他国のカタログには両親と子ども2人が写っているが、サウジのカタログには母親の姿がなかった。
この問題は、スウェーデンの日刊紙メトロの報道で発覚した。イケアは1日、写真を加工したことについて謝罪し、「加工は現地のフランチャイズ店に要請されたわけではない。サウジアラビアのイケアのカタログ見本を提示する前の作業工程で過ちが発生した」と説明している。
スウェーデンのビョーリング貿易相は「残念なことに、サウジアラビアは両性の平等に関する限り、まだ大きく遅れている。この写真がそれを明白に物語っている。女性が視界からさえぎられ、家庭の外で働くことを妨げられている限り、サウジアラビアは人的資源の50%を欠くことになる」と批判した。
サウジの女性の平等をめぐっては、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチが8月の報告書で、「女性の職場進出を促そうとする動きに対し、宗教保守層が強く抵抗している」と指摘していた。
ただ、ブログなどの執筆活動をしている同国の女性は「例えばグーグルがやったことなら問題だが、これはイケアの単なる宣伝であり、それほど大きな問題ではない」とみる。この女性によると、かつては外国の雑誌の写真が検閲され、女性の肌の露出部分が塗りつぶされるのが常だったが、現在はそうしたこともなくなり、ミニスカートの女性の表紙写真を店頭で見かけることもあるという。