UBS、1万人の人員削減を発表 投資銀行部門を縮小
香港(CNNMoney) スイス金融大手UBSは30日、投資銀行部門を縮小し、1万人の人員を削減する方針を明らかにした。
2015年までに従業員数を15%余り削って5万4000人に減らし、36億ドル(約2880億円)以上の経費節減を目指す。人員削減の規模は金融危機以降、業界内で最大級となる。
エルモッティ最高経営責任者(CEO)は「われわれのビジネスは人がすべてであるだけに、難しい決断だった」と語った。
投資銀行部門のうち、規制や市場の変化により収益性が低下した債券トレーディング事業から撤退するが、資産運用顧問など一部の業務は維持するという。
この計画は投資家に歓迎され、UBSの株価は一時上昇した。ただ、UBSが同日発表した7~9月期決算は23億ドルの赤字となった。
UBSはサブプライムローン問題で大きな損失を出し、2008年にスイス政府の公的支援を受けた。昨年には投資銀行部門のトレーダーが不正取引で20億ドルの損失を出したとして、英検察に起訴されている。