米12月雇用統計 雇用15万5千人増 失業率は横ばい
ニューヨーク(CNNMoney) 米労働省は4日、昨年12月の雇用統計を発表した。
非農業部門雇用者数は前月から15万5000人増加し、2012年に創出された雇用は計184万人となった。失業率は7.8%で前月から横ばいだった。ブリーフィング・ドットコムのエコノミスト調査では、雇用者数が15万人増、失業率は横ばいとの予想だった。
民間部門の雇用が16万8000人増加したのに対し、政府部門は1万3000人減少。民間部門では、医療、飲食、製造で増加。また建設部門の雇用も伸びており、大型ハリケーン後の復興が寄与したと見られる。
給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が3日に発表した12月の雇用報告でも、民間部門の雇用者数は21万5000人増加した。
しかし、12月の全体的な雇用の伸びは、2012年の月平均である15万3000人をわずかに上回ったにすぎず、失業率を大幅に押し下げるには不十分だ。
野村証券の米国担当シニア・エコノミスト、エレン・ゼントナー氏も「米国の労働市場は、財政の崖は乗り切ったが、引き続き横ばいの状態が続いている」と語る。
また米コンサルティング会社コーンレズニックの経済調査担当ディレクター、パトリック・オキーフ氏は、米労働市場は以前に比べ回復力が弱まったと指摘する。
12月の長期失業者数は、前月比ほぼ横ばいの480万人で、失業者全体の39.1%を占める。
唯一の明るい材料は、再び職探しを始めた失業者が大幅に増えたことだ、とオキーフ氏は語る。12月に労働市場に復帰した失業者は前月から8%近く増えており、失業者の間に新たな楽観的意識が広がっている兆候とも取れる。