情熱・経験・コネ――中国での就活で外国人に必要なものは?
中国の大学卒業生が政府の高等教育機関拡充策によりさらに増加することも外国人求職者にとり逆風となる。新華社通信によれば、昨年の大学の卒業生は700万人近くに上ったという。
ランス氏は、経験の浅い人材は供給過剰であるため、中国語を話せない外国人新卒者の就職はほぼ不可能だと語る。
中国でキャリアコンサルティング会社を経営するニック・クシネラ氏は、中国語が話せなくとも中国語と英語の履歴書を準備し、就職希望先に積極的にアプローチすることを勧めている。応募者の側で主導権を握り、見込みがありそうな雇用主や企業を狙うことが仕事を得るうえでの最良のルートだと指摘する。
クシラネ氏は「そういうことをする人は多くない。しかし、こうしたアプローチはとても受けがいい。多くの求職者は就職サイトをのぞいたり、検索エンジンを使うだけだ」と付け加えた。
一方で、特定の技能を有する経験豊富な人材については、多くの業界で求人の方が上回っている。
中国では大規模なインフラ整備のプロジェクトが進められており、ベテランの建築士や設計技師への需要は高い。また、中国内外の製薬会社による中国での研究施設への投資のために、製薬業界の人材への需要も旺盛だ。
クシネラ氏は、社員の生活や子育て環境などの良さをアピールすることも大事であることは中国企業も認識していると指摘する。