仏航空管制官ストが2日目に突入、2000便が欠航
(CNN) フランスで12日、航空管制官のストライキが2日目を迎え、欧州の空の足に大きな影響が出ている。
航空当局によると、11日の欠航便は欧州全体で約2000便に達した。
パリのシャルル・ドゴール国際空港の広報によれば、同空港では約半数の便が欠航になり、特に短・中距離便に影響が出ているという。この時期の通常の便数は1日約600便。
今回のストは、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が11日、「欧州単一空域」構想に基づく航空管制の改革案を了承したことを受けて始まった。
欧州運輸労連によれば、欧州11カ国の航空関係の労働者が12日、この改革案への抗議行動を起こした。フランスのほかハンガリーでもストが行われ、他の国では集会やデモが実施されたという。
労組側は、改革案により管制官の雇用が失われ、安全性よりも費用削減や競争力の確保が重視されると主張している。
一方、欧州委員会は航空管制の効率化と監督業務の改善をしなければ今後、航空便の増加によってフライトの遅延がさらに増えるとしている。
欧州委員会は、新ルールの下では航空会社のコスト負担が減るとともに直行便を増やすことができると言及。これにより、航空会社の業績改善や運賃値下げにつながると主張する。また、フライト距離が短くなり遅延が減ることで、温室効果ガスの排出削減にも寄与するという。