米空港の手荷物検査員の不適切行為、26%増 GAO報告
(CNN) 米議会の政府監査院(GAO)は3日までに、空港で手荷物検査などに当たる運輸保安庁(TSA)職員の不適切な行為が過去3年で26%増加したとの報告書を公表した。2010年の2691件が12年には3408件に増えていた。
報告書によると、これらの逸脱行為のうちの約3分の1は勤務時間の遅刻もしくは欠勤だった。1割は不適切な発言や侮辱的な振る舞いで、約4分の1は検査の未実施や不十分なチェックにつながる居眠りや職務怠慢だった。
職員が親戚の乗客のバッグを調べず通過させようとしたのが発覚、7日間の職務停止処分を受けた例もあった。このバッグの中には持ち込み禁止品が入っているのが発見されていた。
報告書は不適切な検査事例計9622件を一覧別にも示し、384件は職務倫理違反、155件は身なりや衛生的な問題に絡む苦情、56件は窃盗絡みなどだったと指摘。
窃盗の事例については詳しく触れなかったものの、ニューヨークのケネディ国際空港で12年に発生した元職員2人が預かり荷物から4万ドルを盗んだ事件に言及。また、ニュージャージー州ニューアーク国際空港で11年に職員が乗客から1万~3万ドル盗んだ事件では犯行継続を黙認してもらうため上司に賄賂を渡していた例も取り上げた。
報告書によると、これらの不適切な行為の後始末については、47%が文書による懲戒処分で処理。この他、少なくとも17%が解職、31%が職務停止の処分となった。
GAOは報告書でTSAに対し職員の勤務態度の監督や不適切な行為の疑いが起きた場合の追跡の改善などを勧告し、TSAはこれを受け入れた。運輸保安庁は約5万6000人の職員のうち職務規定に外れた行為を犯したのはごく一部とし、他職員は任務を全うしていると主張した。