世界最長路線を廃止、採算悪く シンガポール航空
(CNN) シンガポール航空は20日までに、民間航空会社の直行便としては世界最長のシンガポール、米東部ニュージャージー州ニューアーク間の路線を今年11月に廃止する方針を明らかにした。
同路線の航続距離は約9500マイル(約1万5289キロ)、フライト時間は約19時間。使用の機材は、エンジン4基の欧州エアバス社製の340型機。燃費の悪さなどが原因で採算がとれにくく路線廃止に踏み切ったとみられる。
シンガポール航空はまた、世界で2番目の最長路線である同国発の米ロサンゼルス行き便を今月廃止する方針も示した。同路線の搭乗時間は約18時間。
シンガポール航空のこの2路線が中止となった場合、世界最長の直航便は航続距離ではシドニー、米テキサス州ダラス間の8600マイル(約1万3840キロ)を飛ぶオーストラリア・カンタス航空の便となる。使用機材は4発エンジン型の米ボーイング社製747型機となっている。
一方、搭乗時間での世界最長路線は米アトランタ発、南アフリカ・ヨハネスブルク間に就航する米デルタ航空201便の約17時間となる。
来月打ち切られるシンガポール、ニューアーク間のシンガポール航空21便と22便の座席数は100で、全てビジネスクラス仕様。超長時間のフライトにもかかわらずゆったりとした座席配置や充実した機内サービスなどで企業幹部などの固定ファンも多いとされる。
エアバスや米ボーイング社は軽量の新素材を導入し、燃費を高めた双発エンジンの旅客機開発に傾斜しており、航続距離の長い路線にもこれらの機材を投入するとみられる。