世界のワイン供給量、3億ケースの不足 消費に追いつかず
ニューヨーク(CNNMoney) 世界のワイン供給量は年間約3億ケース分の不足に見舞われているという。米金融大手モルガン・スタンレーのオーストラリアのアナリストが31日までに調査報告書をまとめた。
それによると、世界のワインは約100万の生産者が年間28億ケース分を製造していて、その約半数を欧州産が占める。だがそれだけでは世界の需要に応えられないという。
2012年の世界生産量は5%以上減り、1960年代以来最低のレベルに落ち込んだ。主な原因はフランスとアルゼンチンの悪天候で、特に欧州産は10%減少。その一方で、同年の世界のワイン消費量は1%増だった。
ワイン消費の上位国はフランス、米国、中国の順となっている。特に中国は経済成長と生活水準の向上でワインの人気が上昇し、中国国内でのワイン生産量も増えている。
米国は世界のワインの12%を消費する一方で、生産量に占める割合は8%のみ。昨年の消費量は2%上昇した。
米国のワイナリーの数は過去15年で激増したものの、大量生産を行わない小規模なワイナリーが大半を占め、供給量の実質的な増大には結びついていないという。
近い将来、世界のワイン生産量が増える見通しも薄い。米国、アルゼンチン、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの新世界ワインの生産量は、既にピークに達しているとモルガン・スタンレーは指摘している。