ベネチアで来年から大型客船の入港規制、景観保護など狙い
(CNN) イタリア北部にある世界的な観光地ベネチアの行政当局は24日までに、来年1月から本島付近での大型客船の航行を規制することを決めた。
住民の間で入港する客船の増加や大きな船体が街の景観を損ねるなどの不満が高まっていたことを受けた措置。今年9月には、一部の住民がジュデッカ水路を進む複数の船を阻止するため水に飛び込んだり、堤防で機動隊と衝突する騒ぎもあった。
新たな規制によると、来年11月から総トン数が9万6000トンを超える船のジュデッカ水路の航行を禁止。来年1月からは4万トン以上の船の同水路への進入回数を2012年比で20%削減する。ジュデッカ水路はベネチア本島とジュデッカ島を結んでいる。
また、一度に入港出来る船舶数を5隻に限定し、日の出と日没の間の航行は禁止する。
客船は現在、観光名所サンマルコ広場へ300メートル以内まで近づくことが出来る。新たな規制が発効すれば、一部の船客は船上から同広場の美観を眺めることが出来なくなる。
ベネチアのオルソーニ市長は報道発表文で、潟に入る大型船が目立つ傾向に歯止めがかけられたと新たな規制の意義を強調した。
豪華客船ビジネスの専門サイトの責任者は、客船入港の規制を打ち出してもベネチアは生涯で必見の観光地とみられているだけに、訪問客は減少しないとも予想している。