ソニー、パソコン事業を売却 5000人削減へ
香港(CNNMoney) ソニーは6日、2014年3月期の業績予想で純損益が1100億円の赤字になると発表した。従来予想は300億円の黒字だった。同社は不振の続くパソコン事業の売却や5000人の人員削減などの経営改革案も明らかにした。
改革案によれば、パソコン事業は投資会社の日本産業パートナーズに売却される。売却額は公表していない。テレビ事業は7月までに分社化したうえで、15年3月期の黒字化を目指す。ソニーは近年、デジタル家電やパソコン、テレビの不振が続いていた。
昨年はやや業績が持ち直したものの状況は厳しく、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月末、ソニーの長期信用格付けを「投機的な水準」である「Ba1」に引き下げた。欧州系のフィッチ・レーティングスも12年11月、ソニーの格付けを「投機的」水準に引き下げている。
これまで平井一夫社長はソニーの幅広い製品ラインアップの縮小には否定的だった。経営幹部らは、モバイル事業やゲーム事業の成長に期待をかけていた。
ソニーが大幅な改革に踏み出したことは、投資家からは評価されそうだ。
大株主である米ヘッジファンド「サード・ポイント」を率いるダニエル・ローブ氏は昨年来、ソニーに経営改革を進めるよう圧力をかけてきた。昨年5月には音楽・映画部門を分社化するとともに電機事業のスリム化を進めるよう求めたものの、当時のソニーの経営陣からは拒絶されていた。