ロシア、ウクライナへのガス供給停止 価格交渉で合意ならず
香港(CNNMoney) ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは16日、ウクライナに供給したロシア産ガスの代金が期限までに支払われなかったとして、ウクライナへのガス供給を停止したことを明らかにした。
ウクライナ、ロシア、欧州連合(EU)の代表者は週末、ウクライナへのガス供給停止を回避すべく協議を重ねたが、合意には至らなかった。
ガスプロムは、ウクライナの債務総額は45億ドルに上るとし、今後はウクライナが前払いした分のみ供給すると述べた。この件に関し、ロシア、ウクライナはともにストックホルムの国際仲裁裁判所に訴えを起こしたとしている。
ガスプロムは4月にウクライナ向けガスの価格を約80%値上げして1000立方メートルあたり485.5ドルとしていたが、その後の交渉でやや値引きしていた。ガスプロムは2013年、欧州各国に対しては1000立方メートルあたり平均377.5ドルで販売していた。
ロシアとウクライナのガス価格をめぐる対立は、両国の関係が悪化してからエスカレートした。
ロシアがウクライナ南部クリミア自治共和国を併合したことを受け、欧米は同国に制裁を科した。アナリストらはロシアがガス供給を政治的駆け引きの道具として利用したと非難した。
ここ数週間、ウクライナ政府軍と新ロシア派武装勢力の衝突は再び激化しており、この衝突がガス交渉に悪影響を及ぼしたのは明らかだ。
欧州はガス供給の3割以上をロシアに依存しており、その半分がウクライナ経由で供給されている。そのためアナリストらは、ウクライナへのガス供給停止が欧州の企業や家庭に及ぼす影響を懸念している。