廃墟ビルに雨水の「池」、コイなど泳ぎ回わる バンコク名所に
(CNN) タイの首都バンコクで廃墟状態になっているショッピングモールのビル地階に雨水による水たまりができ、コイなど各種の魚が泳ぎ回って見物客が絶えない「名所」となっている。
地元紙バンコク・ポストによると、エスカレーターも水浸しになっているこの「池」を定期的に訪れ、餌をやる住民らは以前は10~20人だった。しかし、交流サイト「フェイスブック」で最近紹介されると人数がたちまち増えたという。泳ぎ回っている魚の数は不明。
現場は、1982年に「ニュー・ワールド・モール」の名称で建設が始まったビルの跡地。規模は11階建てだったが、ビル所有者が4階建てのみの建設許可しか持っていないことが判明し、バンコク首都圏行政当局は上層部の7階部分の解体を命じていた。
この処分と99年に発生した火災を受けて建設が放棄され、天井がないビル残骸が放置される結果となった。
しかし、地階には長年の雨水がたまり、それに伴って蚊も大量に発生。地域住民が衛生状態の悪化を懸念し、蚊を餌にする魚を「池」に放流していた。
バンコク・ポストによると、首都圏行政当局は見物客が増加している事態を受け、潜在的な健康被害の発生や不安定なビル構造を理由にビル内への立ち入りを禁止し、周囲に柵も築いた。
7月末までに、ニュー・ワールド・モールのビル残骸が公共の用途に安全に耐えられるかを決めたいとしている。安全でないと判断した場合、ビル解体に踏み切り、コイなどの魚は別のすみかへ移すとしている。