マードック氏、タイム・ワーナー買収案を取り下げ
ニューヨーク(CNNMoney) 「メディア王」として知られるルパート・マードックス氏は5日、自身が率いるメディア大手、米21世紀フォックスが提示していた同業大手米タイム・ワーナーの買収案を取り下げると発表した。
実現すれば、近年のメディア業界で最大規模の買収になるとみられていた。
フォックスは当初、タイム・ワーナーを800億ドル(約8兆2000億円)で買収する案を提示したが、タイム・ワーナーのビュークス最高経営責任者(CEO)がこれをはねつけていた。
7月中旬にこの提案が明らかになってから、フォックスの株価は10%近く下落した。同社の株主らは、マードック氏が提示額をさらに引き上げるのではないかと懸念していた。
マードック氏は取り下げの理由として、タイムワーナー側の拒否姿勢と、自社の株価への影響を挙げた。
買収案取り下げの発表を受け、タイム・ワーナーの株価は時間外取引で約10%下落し、フォックス株は約7%上昇した。
マードック氏が株価の様子を見つつ、後日改めて買収を提案する可能性も指摘される。しかしフォックスは同日、新たに60億ドル相当の自社株を買い戻す計画も発表した。アナリストの間では、同氏が当面、株主への利益還元に重点を置くとの見方が強い。