経済改革進めるキューバ、国営レストラン9千軒を民営化
(CNN) キューバの国内流通省は21日までに、国が経営するレストラン計9000軒の民営化を進めるとの方針を明らかにした。現在、国内で営業する家族経営のレストランは1261軒。
同省によると、国営レストランが使っている土地は国有地のままとなる。
キューバでは近年、経済の活性化を狙って市場原理の導入が部分的に進められてきた。個人経営のレストラン営業は1993年に初めて許可された。既に営業している民間のレストランはメニューを増やすなどして人気を集め、経営は順調だという。
キューバ情勢の研究団体幹部によると、レストラン民営化の方針を受け、キューバの実業家らは政府と価格を交渉して店舗を買い取ることが可能になる。国営レストランを手に入れる利点は、その地の利や評判、キューバ国内では入手が難しいとみられる調理器具の確保などとしている。
ラウル・カストロ国家評議会議長率いる政府は2011年5月には自由経済に歩み寄る新たな経済改革計画を発表し、理髪店や美容院など一部業種の民営化を発表していた。
レストランについても政府は民間に経営を委ねる方針を以前示していた。国内流通省は、キューバ国民や外国人観光客らに提供するサービスの質と安全性の向上を図りたいとの方針を示している。
キューバの国家統計局によると、同国を12年に訪れた観光客数は約280万人。民間のレストランは観光業の発展に非常に重要な要素とも受け止められている。