ムーディーズ、日本国債を1段階格下げ
(CNNMoney) 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、日本国債の格付けを1段階引き下げると発表した。
日本国債の格付けは21段階中、上から4番目の「Aa3」から5番目の「A1」となった。ただし先行きは「安定的」とされ、近いうちにさらに格下げされる可能性は低いとみられる。
ムーディーズは格下げの理由として、政府債務の拡大や急速な高齢化による社会保障費の増大、財政改革の遅れを挙げた。
安倍政権の経済改革「アベノミクス」は金融緩和策と財政政策、構造改革によって日本経済の成長を促す構想だが、物価が上昇傾向に転じる一方で消費税引き上げの第1弾を受けて景気後退(リセッション)に陥るなど、成果は必ずしも明確ではない。
こうした現状を受けて、安倍首相は消費税の再引き上げを延期し、総選挙を実施すると発表した。
ムーディーズは、消費税引き上げの先送りには利点があるかもしれないとする一方で、国内総生産(GDP)比245%に達する政府債務の増大に懸念を示した。そのうえで、債務削減のためには税や社会保障の改革を実行し、デフレ脱却と生産性の向上を果たし、年率3.5%の経済成長を達成する必要があると指摘した。