ロシア富裕層、ロンドンで不動産購入が激増 制裁反映し
ロンドン(CNNMoney) 英国の不動産コンサルティング企業「ナイト・フランク」は27日までに、ロシアの大富豪によるロンドン内の豪華物件の購入が急増していると報告した。
ウクライナ危機を受けた欧米諸国による経済制裁が要因のロシア経済の停滞や通貨ルーブル安を背景にした動きで、今年10月までの6カ月間での売却物件のうちロシア人らが21%を占めるという。昨年同期比では13%増となった。
調査対象の物件の価格は1000万英ポンド(約18億6000万円)もしくはそれ以上となっている。ロシア人らによるこれら物件の購入は今年の同期間で前年に比べ3分の1増えているという。
ロンドン市内の不動産は国際的に強い需要があり、世界の一部地域での不安定な政治情勢を踏まえれば今後もその需要は続くと予測されている。
ロシアのシルアノフ財務相は24日、欧米諸国の経済制裁と原油価格の下落によってロシアが被っている損失額は最大で年間1400億ドル(約16兆3800億円)に達するとの見方を示していた。ルーブルの対米ドルの下落率は27%に達し、国民は貯金を他国の通貨に移す動きが加速しているとも述べた。
ナイト・フランク社によると、中国人らによるロンドン市内の物件購入も拡大しており、販売件数のうち3%を占めた。マンションなどの集合住宅より一戸建ての物色が目立つ。家族と共にロンドンで暮らしたいとの意向が明瞭に見て取れるという。