超大型旅客機A380の販売不振、製造中止も選択肢か
ロンドン(CNNMoney) 航空機製造大手の欧州エアバス・インダストリーが、総2階建ての超大型旅客機A380の機体更新もしくは製造中止かの選択を迫られる重大な局面に直面している。
同機の販売不振が背景にあり、今年は新たな航空会社からの発注はこれまでない。唯一の受注は航空機リース企業からのものだったが、同社はA380は売り込みにくいとも認めている。
エアバスグループのトム・エンダース最高経営責任者(CEO)は投資家との会合で、同機の将来について中短期的な決定が必要との認識を示した。この決定はあくまでビジネス上の観点から検討されるとも述べた。
同社はA380の性能向上などが優先事項としていたが、グループ全体の収益を削がない形で進めるのが必要とも強調していた。財務担当責任者は製造中止も選択肢の1つだろうと認めている。
同社は、A380機開発に絡む収支決算については顧客と契約済みの受注額の効果で今後3年内に損益なしの水準に到達するとの見通しを示していた。ただ、2018年やそれ以降の業績については不透明となっている。