米景気回復の恩恵、家計には及ばず FRB議長が見解
(CNNMoney) 米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は24日、上院銀行・住宅・都市委員会での証言で、米国の景気回復による恩恵が大手企業に偏り、国民の家計には及んでいないとの見解を示した。
イエレン議長の発言は利上げを急がない方針の表れと受け止められ、同日のニューヨーク株式市場ではダウ平均の終値が過去最高を記録した。
同議長は証言で、「国内総生産(GDP)というパイの分け前はかなり増えたが、それは労働者でなく資本家の手に渡っている」と指摘。「失業者や不完全就業者はまだ多く、賃金の伸びも思わしくない。インフレ率は引き続き長期目標を大幅に下回っている」と述べた。
米国では大手企業の収益や株価が記録的な好調ぶりを示す反面、家計にはほとんど改善の兆しがみられず、FRBは格差の縮小に向けた方策を問われている。
FRBが利上げに踏み切る時期を巡っては、今年6月が有力との観測がある一方で、9月以降になるという説も出ている。この日の委員会でも、超低金利の弊害を主張する共和党と、利上げは賃金が上昇に転じるまで待つべきだとする民主党の間で、激しい議論が交わされた。