ギリシャ、7月5日に国民投票 EUの金融支援条件で
ロンドン(CNNMoney) 深刻な財政危機にあるギリシャのチプラス首相は27日、テレビ演説し、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)が同国への金融支援を継続する条件として提示した改革案の是非を問う国民投票を今年7月5日に実施すると発表した。
改革案を拒否する自らの立場も表明し、国民投票での反対を呼び掛けた。ただ、国民投票の結果は尊重するとの考えも示した。
首相は演説の中で、支援者側が突き付ける労働市場改革の一層の伸展、年金や公務員給料の削減などはギリシャ全国民をおとしめる試みであると反発。改革案は過酷かつ懲罰的な緊縮政策に固守するIMFの姿勢を浮き彫りにしたとも批判した。
ギリシャは過去4カ月間、支援者側と協議。今月30日には金融支援プログラムが期限切れとなる。同国はまた、国際通貨基金(IMF)への約15億ユーロ(約2100億円)の返済を30日までに求められている。追加支援が実現しない場合、債務不履行(デフォルト)に陥る可能性もある。IMF絡みでのデフォルトは先進国では例がない。
国民投票実施を受け、ツイッター上ではギリシャの首都アテネの現金自動出入機(ATM)前に27日早朝、長い行列が生まれたとの情報が寄せられた。デフォルトが現実味を帯びれば、欧州中央銀行(ECB)がギリシャの銀行に供給している緊急資金を削る事態も予想される。そうなれば、ギリシャ国民が引き出す現金が規制されることも考えられる。
左翼連合政権を率いるチプラス氏は今年初期の総選挙で緊縮政策の終結を掲げて勝利した。ただ、金融支援に税金を投入するEU諸国などは国内の反発をにらみ、緊縮政策の継続を突き付けていた。