英国が中国原発の導入で合意、安全保障面で懸念の指摘
ロンドン(CNNMoney) 英国、中国両政府は22日までに、英国での複数の原発新設計画に中国企業が参加することなどで合意した。中国の習近平(シーチンピン)国家主席の英国訪問で得た成果となっている。
英国政府は新たな原発建設への中国の関与について数千人規模の雇用を生み、エネルギー源確保での安全保障対策に貢献するものと称賛。キャメロン首相は習主席の訪英を両国関係の黄金時代を記すものとたたえた。
ただ、英紙タイムズによると、原発という重要なインフラ施設への中国の参入を認めたことについては、英軍や国家安全保障の関係者の間で懸念が出ている。両国関係が悪化した場合、リスクが生じる他、中国を含め多数の国が国家の安全保障に死活的に重要な大規模なエネルギー事業に外国投資を禁じている現実にも注意を向けている。
英王立国際問題研究所のキャロライン・バイロン国際問題担当研究員は、中国とロシアのような国々と米国、西欧は現在、相互の電力供給システムを含む中枢のインフラ施設の弱みに関する情報把握や介入で活発な活動を見せていると指摘。これらの活動は、紛争でも発生した場合、電力供給システムを支配されかねない攻撃につながるとも警告した。