米当局がVWを提訴、制裁金2兆円も 排ガス不正問題
ニューヨーク(CNNMoney) 独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を巡り、米環境保護局(EPA)と司法省は4日、デトロイトの連邦裁判所に同社を相手取って民事訴訟を起こした。VWが180億ドル(約2兆円)の制裁金支払いを命じられる可能性もある。
訴状によると、EPAは米国の環境保護規制に違反したディーゼル車1台につき最大で3万7500ドルの制裁金を求めているほか、排ガス検査をごまかす目的で取り付けられた装置1台につき最大3750ドルの支払いを求めた。
環境保護規制に違反したVWと傘下の高級車アウディのディーゼル車は約50万台。EPAの請求額が裁判で認められた場合、VWが支払う制裁金の総額は180億ドルを超す可能性もある。
EPAと司法省は今回の民事訴訟に加え、刑事事件として立件する可能性も排除していない。
VWは、規制を逃れる目的で違法なソフトウェアを装備して検査時の排ガス量を操作していたことを認めている。実際の汚染物質排出量は最大で許容量の40倍に達していた。同社は米政府やカリフォルニア州の環境保護当局と連携して問題を是正する意向だが、EPAによれば、4日の時点ではまだ是正策について合意に至っていないという。
これまでのところ、VWは今回の訴訟についてコメントしていない。