泥が生んだ1億ドル企業 リピーター続出の過酷レースとは
ロンドン(CNNMoney) 泥の中を16キロ以上走り抜け、氷水の中に飛び込み、約3メートルの壁をよじ登り、燃え盛る輪をくぐり抜ける。そして極め付けは、1万ボルト(家畜用フェンスに推奨される水準の2倍に相当)の電圧が流れる送電線が配置されたフィールドを全力で駆け抜ける――。
とても面白いとは思えないが、この過酷なレースに、2015年は50万人もの人々が最高200ドル(約2万5000円)を支払って出場した。これが「恐らく世界で最も過酷なイベント」とされる障害物レース「タフ・マダー」だ。
「実際のところ、人々がタフ・マダーに繰り返し参加する理由はこのレースが楽しいからだ」と語るのは、タフ・マダーの創業者兼最高経営責任者(CEO)ウィル・ディーン氏だ。
「そしてレースを終えた時、心から自分を誇らしく思える」(ディーン氏)
ディーン氏の会社は、軍事訓練からヒントを得た耐久イベントを主催する。同氏はハーバード・ビジネス・スクールの学生だった時にこのアイデアを思い付いたが、教授たちの反応は芳しくなかった。