米ファイザー、アラガンの買収撤回 租税逃れ新規制を受け

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米ファイザーが節税目的の買収を断念

米ファイザーが節税目的の買収を断念

ニューデリー(CNNMoney) 米製薬大手ファイザーは6日、アイルランドの同業アラガンの買収を中止したと発表した。オバマ米政権が4日、企業の租税逃れを取り締まる新たな規制を打ち出したことを受けた措置となっている。

買収予定額は1500億ドル(約16兆5000億円)に上り、実現していれば史上2番目に大きな買収案件になるとみられていた。

今回の買収案の背景には、米ニューヨークに拠点を置くファイザーが本社をアイルランドに移し、節税をはかる狙いがあったとみられる。こうした買収は「インバージョン」と呼ばれ、米国の多国籍企業が海外の企業を買収し、税制上の本拠地を税率の低い他国に移す戦略を体現した動きとなっていた。

米財務省は4日、インバージョンを抑止することを狙った新たな規制を発布。海外企業の所有比率を算出する方法の見直しや、「利益はがし」と呼ばれる節税戦略を取り締まる措置を打ち出していた。ファイザーは今回の買収撤回について、こうした新規制を受けた動きだと明言している。

投資家はすでに今回の展開を織り込んでおり、アラガンの株価は4日の取引で15%下落していた。買収中止の発表を受け、6日の取引前のアラガンの株価はわずかに下落した。

ファイザーは2014年にも、英国の製薬会社アストラゼネカの買収を試みたものの断念。こうした動きの一因として節税目的があることを明言していた。

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