政治危機のブラジル 失業率増加、経済も苦境に
ニューヨーク(CNNMoney) ブラジル政府は24日までに、失業率は昨年12月から今年2月までの期間に10.2%に上昇したとの公式データを発表した。同国では政府会計の粉飾疑惑に絡むルセフ大統領の弾劾(だんがい)請求などの政治危機に襲われているが、景気も悪化の一途をたどる苦境に直面している。
昨年同期の失業率は7.4%だった。現段階の失業者総数は1000万人で、1年前に比べ300万人増加。賃金は約4%目減りし、インフレ率は高水準にとどまっている。
ブラジルの国内総生産(GDP)は昨年3.8%縮小し、同国の中央銀行は今年の成長率はマイナス3.5%と予測している。
ブラジルの連邦下院議会は既に大統領弾劾を支持する決議を可決。上院でも弾劾決議の是非を問う採決が5月にも予定されている。上院が可決した場合、大統領の職務が停止される事態につながる。
今年8月にリオデジャネイロ五輪を迎えるブラジルだが、大統領の弾劾問題の他、ルラ前大統領の関与が指摘される国営石油会社ペトロブラスなどを舞台にした汚職疑惑でも揺れており、全国で大規模な政府批判デモが起きている。