独VW、5%賃上げに合意 国内の従業員12万人が対象
ロンドン(CNNMoney) ディーゼル車の排ガス不正問題に揺れるドイツのフォルクスワーゲン(VW)は22日までに、同国の金属産業労組「IGメタル」との交渉で、ドイツ内の自社従業員12万人を対象に今後1年半内に5%の賃上げを実施することに合意したと発表した。
12万人は世界全体の従業員総数の約2割に当たる。今回の賃上げへの同意は、最大で1100万台が絡む排ガス不正問題を受け、同社がリコール(回収・無償修理)や該当車両の買い入れなどで巨額の対策費の計上を迫られている中で決められた。
また、米国と欧州諸国当局の刑事捜査の対象ともなり、ユーザーらが少なくとも70件の訴訟を起こしており、補償額の支払いを今後求められる事態も予想される。
同社は最近、従業員に対し3950ユーロ(約49万円)の年間ボーナスも支給していた。通常の額の3分の1程度の水準となっていた。
ドイツの企業従業員らの賃金は昨年2.4%増え、インフレ率の上昇はほぼなかっただけに、フォルクスワーゲン社が同意した5%賃上げは同社従業員にとって朗報となっている。ただ、この賃上げ率は同社の傘下にあるアウディやポルシェの従業員には適用されない。
IGメタルは、ドイツの他の自動車製造メーカーとも賃上げ交渉を進めている。