「ドルは強すぎ」、トランプ大統領発言で米ドル急落
ニューヨーク(CNNMoney) 米国のトランプ大統領が米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで「ドルは強くなりすぎている」と発言したことを受け、12日の外国為替市場で米ドルが急落した。
インタビューの中でトランプ大統領は、「ドルは強くなりすぎていると思う。これは人々が私を信頼してくれたことによるもので、私にも責任の一端はある」と発言。「だが、それはいずれ害をもたらす」との見方を示した。
ドルは昨年の大統領選挙でトランプ氏が勝利した直後に13年ぶりの高値をつけた。これは米国が他国を上回るペースで成長するという投資家の期待を反映した動きと受け止められた。
しかしあまりにドル高が進めば、欧州や日本の製品に比べて米国製品の値段が高くなり、製造業を中心とする米国の競争力が低下する可能性がある。
トランプ大統領は「ドルが強くて他国の通貨の価値が低ければ、競争するのはとても難しい」と語った。
選挙運動中のトランプ氏は、中国が世界で自国の製品を安く売るため故意に人民元安を誘導していると主張して頻繁に中国を攻撃し、大統領に就任すれば、真っ先に中国を「為替操作国」に指定すると宣言していた。
実際には為替操作国には指定しなかったものの、大統領は中国に対する強硬発言を続け、今月上旬には、通貨安値誘導の「世界チャンピオン」と中国を名指ししていた。