米空軍の無人宇宙機X37B、スペースXが打ち上げを初受注
ニューヨーク(CNNMoney) 宇宙開発の米民間企業「スペースX」は7日、米空軍が運用する使用目的が不明の極秘任務に当たる無人の宇宙航空機「X37B」の打ち上げ契約を獲得したことを明らかにした。
打ち上げは年内の予定。X37B事業は過去に4回実施されたが、スペースXの受注は初めて。米ボーイングと米ロッキード・マーチンの両社の合弁企業「ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)」がこれまで独占してきた。X37Bは約1カ月前、宇宙での約2年間の任務を終えていた。
スペースXが手掛ける5回目の同機打ち上げの関連経費は機密事項のため明らかにされていない。同社も詳細の公表を拒否している。X37Bの機体に関する情報もほぼ不明だが、ロケット搭載方式で垂直に打ち上げられ、航空機のように滑走路に着陸する性能を持つ。
同機は米国防総省の緊急対応能力構築部門が関与する事業の一環とされる。同部門は差し迫った国家安全保障上の脅威に対応するのが責務。次回のX37B機は実験的な電子機器や振動する熱パイプなどの装置を搭載するとみられる。
スペースXはこれまで多額の収益が見込める軍事関連契約を獲得するためULAの牙城(がじょう)を突き崩すことに尽力。2014年には契約企業の選定で不公平な扱いを受けているとして米政府を提訴もした。ただ、15年に空軍関連の契約を得た同社は提訴を撤回していた。
米空軍は今回、スペースXを選んだ理由について明かしていないが、再利用が可能なエンジンやコストの安さなどが要因になったとの見方もある。