中国輝山乳業、役員失踪後に現金390億円が不明に
香港(CNNMoney) 中国乳業大手の中国輝山乳業は7日までに、財務責任者が失踪した後、保有現金の大半にあたる24億3300万人民元(約391億円)が行方不明になっているとの声明を発表した。
輝山乳業はこの中で、口座情報を調べたところ、現金や現金同等物で29億人民元(約466億円)を保有しているはずであることが示されたと指摘。しかし取引銀行は、同社の保有現金は約4億6700万人民元(約75億円)のみであり、その大半は自由に払い出しできない拘束預金だとしているという。
輝山乳業は、こうした数字の「大きな食い違い」について解明を図っていると言及。また、財務部門の主要職員が会社を離れたことから、財務諸表の準備に当たり「甚大な困難に直面している」とも付け加えた。
答えの一部を握っているとみられるのは、同社で財務や現金の取り扱いを統括していた女性だ。同社によれば、女性は3月、「最近の仕事のストレスで健康状態が悪化した」とする手紙を送った後に失踪したという。
輝山乳業の株価は下落し、3月には1日で91%急落したこともあった。これ以来、同社株は売買が停止されている。同社の災難は続き、役員10人のうちの9人が会社を離れるなどの事態も起きた。
輝山乳業は5日、財務の混乱について調べるため調査会計士を雇うとの方針を発表。また、債務再編計画を模索する目的で債権者との協議も進めている。