カタール、断交のUAEへもガス供給を継続
ドバイ(CNNMoney) サウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)などの中東諸国が今週に入り相次いでカタールとの国交を断絶したが、カタールからUAEへの液化天然ガス(LNG)の供給は止まっていない。
カタールは液化天然ガスの輸出で世界最大手。代表的な輸出先は日本や韓国、インドなどの国々だが、UAEにも海底パイプラインを通じて輸出を行っている。
このパイプラインは1日に約5700万立方メートルのガスを運ぶ。UAEの1日あたりのエネルギー需要の約3割を優にまかなえる数字だ。
契約条件は明らかになっていないが、UAEの支払い額は市場価格よりもかなり安いというのが業界アナリストの見方だ。
もっとも、天然ガスの売り上げだけでは、断交により孤立した経済は支えられない。
オックスフォード・エクノミクスのエイミー・マカリスター氏は「孤立状態のカタール経済を支えるには多大なコストがかかる。そのためカタールは外交的解決策を早急に見つけることを迫られるだろう」と述べる。
カタールの国民は輸入停止に備えて食料の買いだめに走っている。また、国際船舶運輸大手各社は7日、カタールの港への寄港を取りやめる方針を明らかにした。UAEとサウジはカタール向けの商品を国内の港で扱うことを禁じている。
カタールは石油輸出国機構(OPEC)加盟の産油国で、1日の産出量は65万6000バレルだ。輸出は主に断交には参加していないイランとオマーンの海域を経由して行われるため、影響はないと見られる。