東芝半導体事業、産業革新機構を軸とした連合と優先交渉

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香港(CNNMoney) 東芝は21日、半導体メモリ事業売却に関する優先交渉先として、政府系ファンドの産業革新機構(INCJ)を軸とするコンソーシアム(企業連合)を選んだと明らかにした。金額は約2兆円。

東芝は米原子力発電子会社ウエスチングハウスが破綻(はたん)したことなどから、2016年度の赤字が9500億円に達する見通し。巨額の損失を穴埋めするため、東芝は評価の高い半導体メモリ事業を売却せざるを得なかった。

東芝の経営危機は日本政府にとっても大きな懸念だった。東芝の全従業員19万人のうち10万人以上は国内で雇用されている。また、半導体メモリの先端技術が外国企業の手に渡ることも懸念材料だった。

半導体事業を日本に残すための政府の対応の軸となったのがINCJだ。INCJは買収のため、米投資ファンドのベイン・キャピタルや日本政策投資銀行と手を組んだ。

東芝の半導体メモリ事業に対しては、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業なども買収に名乗りを上げていた。

東芝はINCJを中心とした企業連合を選んだ理由として、「国外への技術流出懸念」や「国内の雇用の確保」を挙げた。

調査会社イボットソン・アソシエイツ・ジャパンのアナリストによれば、東芝がINCJ連合を選んだ理由は「協力的」で早く売買契約を結ぶことができるからだ。早急に売却して赤字を埋めなければ、すぐにでも東京証券取引所から上場廃止にされてしまう可能性があるという。

だが、この売却案に対しては、米ウエスタンデジタル(WD)が、売却対象に両社の提携事業が含まれているとして難色を示している。WDはすでに売却中止を求めて訴えを起こしている。

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