相次ぐ大手企業経営者の失踪、当局が摘発強化か 中国
香港(CNNMoney) 中国でここ数年、大手企業の経営者や大物実業家が突如(とつじょ)として失踪する事件が相次いでいる。背景には、習近平(シーチンピン)国家主席が進める腐敗撲滅や、2015年に夏に起きた中国の株式市場暴落に対する政府の捜査が絡むと思われる。2016年にはいったん沈静化していたが、17年秋の共産党大会を前に、再び摘発が強化されている様子だ。
直近では、米ニューヨークの高級ホテル、ウォルドルフ・アストリア買収で知られる大手保険会社、安邦保険集団の呉小暉会長が姿を消した。政府の捜査の一環として、当局によって今月9日に拘束されたと伝えられている。
安邦保険集団は呉会長について、「個人的理由のために、職務を遂行できない」とのみ説明した。
2015年には中国企業数十社の経営者らが姿を消していた。後に復帰した人もいれば、戻らないままの人もいる。
今年に入って中国の証券監督当局は、市場操作に関与した大物実業家らをさらに摘発すると宣言した。
過去1年半の間に起きた主な失踪事件は以下の通り。
中国人の富豪、肖建華氏は今年1月下旬、香港にあるフォーシーズンズ・ホテル内の自室で拘束され、中国本土へ連行された。
肖氏は銀行や保険会社、不動産開発業者などを傘下に置く持ち株会社、明天グループの経営者。失踪から数日後、香港の新聞の1面の広告欄に、肖氏の名で声明が掲載された。
声明によれば、同氏は「海外で療養中」で、回復すればマスコミの取材に応じる意向だった。しかし5カ月たった今も、同氏の身に何が起きたのかは分かっていない。