米大物投資家が謝罪、女性に対する不適切行為の発覚相次ぐ
ニューヨーク(CNNMoney) ハイテク業界の起業家を支援してきた米著名投資家のデイブ・マクルアー氏(51)がこのほど、複数の女性に対して不適切な行為を行っていたことを認めて謝罪した。シリコンバレーでは、女性に対する大物ベンチャーキャピタリストの不適切行為が相次いで発覚し、被害を名乗り出る女性起業家が相次いでいる。
マクルアー氏は投資会社「500スタートアップ」の共同創業者。7月1日付でネットに謝罪文を掲載し、「私は仕事に関係した状況の中で、複数の女性に言い寄った。明らかに不適切だった」と告白した。
その前日には、人気テレビ番組「シャークタンク」で有名になったベンチャーキャピタリストのクリス・サッカ氏が、ハイテク業界の性差別的な文化に自分も関与していたとして謝罪した。サッカ氏はツイッターやウーバーに出資した投資家として知られる。
発端は、バイナリー・キャピタルの投資家ジャスティン・カルドベック氏が、女性起業家6人に対して行っていた不適切な言動が明るみに出たことだった。6人のうち3人は実名で、カルドベック氏とのやり取りを公表。これが引き金となって、シリコンバレーのハイテク業界が抱える性差別問題を告発する女性が相次いでいる。
マクルアー氏についてはニューヨークタイムズ紙が6月30日、500スタートアップに就職を希望した女性に対してマクルアー氏が不適切行為を行っていたと報じた。同紙によると、マクルアー氏はこの女性に対し、フェイスブックを通じて「あなたを採用すべきか、それとも口説くべきかで混乱している」というメッセージを送ったとされる。
同紙はハイテク業界の女性24人に取材した結果、マクルアー氏を含む男性10人の名が挙がったと伝えた。
マクルアー氏は1日に掲載した謝罪文の中で、「私は人々を不名誉で不適切な状況に追い込み、自分勝手にもその状況を利用した。私はもっと状況をわきまえるべきだった」「私の行動は間違っていた。弁解の余地はない。私に過ちがあった事案について、愚かで身勝手で思い上がって自分を守ろうとした馬鹿者だったことを謝罪したい」と述べている。
同氏は業界の講演に招かれることも多く、女性やマイノリティーによる起業の積極的な支援を説いていた。