ISISの資金、2年で80%減 支配地縮小などで

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ISISが拠点としてきたモスルやラッカが進攻を受けている

ISISが拠点としてきたモスルやラッカが進攻を受けている

ロンドン(CNNMoney) 金融情報などを手掛ける企業「IHSマークイット」は1日までに、過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が得ている資金が過去2年間、80%減の打撃を受けていることを明らかにした。

支配地の後退と原油収入と住民に課税する「税金」の目減りが背景要因となっている。

同社の「紛争地の監視情報」によると、今年4~6月の第2四半期にISISが稼いだ資金は月間当たり1600万米ドル(約18億円)で、2015年同期の8100万ドルからは急減した。関係者との面談、ISIS関連文書、国連やシリアの反政府筋からの情報をまとめた数字としている。

IHSマークイットの中東担当の上席アナリストは声明で、資金激減の大きな要因は支配地の縮小と指摘。平均的な原油収入は15年比で88%、税収や押収での稼ぎは79%それぞれ落ち込んだと述べた。

ISISは3年前、イラクやシリアでカリフ制に基づくとする国家建国を宣言。ただ、最近は米軍主導の有志連合、イラク軍、シリア軍やロシア軍などの反攻を受け、支配地の喪失が目立つ。イラク最大の拠点モスル市では劣勢が目立ち、首都と称するシリアのラッカはほぼ包囲されている。

IHSマークイットは、15年1月以降には陣地の60%を失ったと推測。今なお掌握する地域は欧州のベルギーの国土相当にまで後退したと見ている。

同社のアナリストは収入や支配地の激減を受ける中でISISは今後、機動的かつ奇襲的な攻撃の手法に回帰するだろうと予想している。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「ISIS」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]