ISIS阻止で初の合同海上警備、東南アジア3カ国
(CNN) インドネシア、フィリピンにマレーシアの東南アジア3カ国は22日までに、域内における過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の浸透を阻止する合同の海上警備作戦や関連情報の共有などを開始した。
東南アジアにおけるISIS対策でこの種の具体的な共同行動は初めて。域内では近年、フィリピン南部ミンダナオ島での武装闘争などISIS系勢力の活動が先鋭化している。
3カ国はインドネシア・北カリマンタン州で今回の共同作戦の開始を告げる開幕式典を催した。式典はインドネシア海軍艦船上で実施され、各国の国防相や軍司令官らが参列した。
3カ国の共同声明によると、合同哨戒活動や諜報(ちょうほう)共有の円滑な遂行を目指し、各国内に海上司令部を設置。哨戒には空軍や地上兵力も加わる。
3カ国は現在、スールー海などで地元のテロ勢力の脅威増大に直面。海峡などを利用した兵器、現金や人員輸送などが進んでいると指摘される。スールー諸島を根城にするフィリピンの過激派「アブ・サヤフ」は活動資金ねん出のため外国人などの拉致も多発させている。スルー海では3カ国の国境警備が手薄で、密輸ルートとして長年用いられてきたともされる。