サウジ、初の「観光ビザ」を来年発給へ 観光業振興目指す

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ユネスコの世界遺産である古代遺跡のマダイン・サーレハ

ユネスコの世界遺産である古代遺跡のマダイン・サーレハ

ドバイ(CNNMoney) サウジアラビアの観光行政当局の責任者は25日までに、同国が来年、外国人への「観光ビザ」の発給を初めて計画していることを明らかにした。CNNMoneyの取材に述べた。

同国のビザ発給はこれまで業務関連やイスラム教聖地への巡礼などに限られていた。メッカなどの聖地への訪問者は毎年、数百万人規模となっている。

サウジは現在、原油輸出依存の経済構造の変革を図っており、観光業の振興はその柱の1つ。2030年までに年間3000万人の訪問客を目指している。昨年の実績は1800万人。

同国は過去数カ月、観光業を強化する複数の野心的なプロジェクトを発表。紅海沿いの長大な地域でのリゾート建設やテーマパーク開園などを打ち出している。

観光行政当局と国家文化遺産委員会の責任者であるサルタン・ビン・サルマン王子はCNNMoneyに、国外に流れているサウジ観光客の呼び戻しが最大の政策目標と指摘。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイへのサウジ人訪問者は今年、1200万人以上であることに注意を向けた。

米クレジットカード大手のマスターカードは今年5月、中東内外のイスラム教徒の旅行客は潜在的に巨大な観光市場になるとの報告書を発表。これら旅行客は2020年までに1億5600万人の規模に成長するとし、旅行関連の支出費は毎年2200億米ドル(約24兆6400億円)に達すると推定した。昨年は1億2100万人だった。

一方、サウジの観光業育成での大きな障害はテロ組織などが絡む国内の治安情勢となっている。また、厳格なイスラム法統治による服装規定や性別での差別に対する外国人観光客らの戸惑いの解消も課題となる。

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