たばこの健康被害周知へ、米業界大手がキャンペーン開始
(CNN) 米国のたばこ会社がこの週末から、喫煙の害について啓発するキャンペーンをゴールデンタイムのテレビCMや新聞広告を通じて展開する。26日にも掲載が始まる見通しだ。
米連邦裁判所は米国のたばこ会社に対する「是正措置」として、喫煙の危険性に関する情報を一般に公開して周知を図るよう命じていた。
米司法省は1999年、米国のたばこ大手や業界団体などを相手取って訴訟を起こし、国民は50年あまりにわたってあざむかれ、金をだまし取られてきたと訴えた。
2006年の判決では、たばこ会社による違法行為があったと認定。宣伝内容に強い文言で警告を表示し、喫煙が健康に及ぼす害について印刷広告で詳しく説明するよう言い渡した。
裁判所の命令に従って、今回の広告費用はたばこ大手のフィリップモリス、ロリラード、R・J・レイノルズ、アルトリアグループが負担する。
「具体的な文言や、いつ流すか、フォントの大きさなどを巡る争いは10年も続いた」。たばこ規制に詳しいカリフォルニア大学のスタントン・グランツ教授はそう解説。今回の広告には「公衆に対して50年もついてきたうそを逆転させる意味もある」と指摘する。
広告では白地に黒い文字で「喫煙は心臓病、肺気腫、骨髄性白血病、がんの原因になります」と明記し、たばこの中毒性、受動喫煙の危険性、低タールたばこの危険性などについて告知する。