シエラレオネの「平和のダイヤ」、7億円で落札

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密輸業者に渡らず公式のルートで競売にかけられた「平和のダイヤモンド」

密輸業者に渡らず公式のルートで競売にかけられた「平和のダイヤモンド」

香港(CNNMoney) 西アフリカ・シエラレオネの村で見つかり、政府を通して米ニューヨークで競売にかけられた「平和のダイヤモンド」が、650万ドル(約7億3000万円)で落札されたことが6日までに分かった。

シエラレオネなどアフリカ諸国では、「血のダイヤモンド」と呼ばれるダイヤ原石が紛争の資金源とされてきた。しかし平和のダイヤは、採掘した地元住民が密輸業者に売らず、政府に届け出た。政府が競売にかけて収益を地元のインフラ整備などに使う方針を示したことから、この名がついた。

平和のダイヤは709カラット。競売への出品を手配したラパポート・グループによると、シエラレオネ史上3番目、世界では14番目の大きさだという。世界有数の宝石商として知られる英国のローレンス・グラフ氏が落札した。

実際の落札価格は、シエラレオネ政府が想定していた額を大幅に下回った。今年5月にもいったんシエラレオネでの競売で780万ドルの値が付いたが、政府は正当な価格ではないとしてこの入札を却下していた。

過去には同等の大きさのダイヤが10倍近い価格で売れた例もある。だが専門家によれば、平和のダイヤのように構造が複雑な原石は、一つの大きなダイヤを切り出すことができず複数に分かれてしまうため、必ずしも高い値が付かないという。

それでも、採掘されたダイヤが密輸でなく、公式のルートで売られた例としての意味は大きい。平和のダイヤの落札金額の半分以上は、採掘された地域にきれいな水や電力を供給したり医療施設や学校、道路を整備したりする資金となる。さらに4分の1がダイヤの発見者に渡され、残る4分の1はダイヤ産地の開発事業に使われるという。

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