「ワークライフバランス」に専門家が異議 より適切な言葉とは
ニューヨーク(CNNMoney) 最近、「Work-life balance(ワークライフバランス)」という言葉を至る所で目にする。この言葉を聞いて思い浮かぶのは、まず、仕事と生活とは全く別の物で、次に、この2つを完全に調和させて禅のようなバランスを実現する方法が存在する、という2つのことだろう。
しかし、アメリカ心理学会(APA)の組織的卓越センターのディレクター、デビッド・バラード氏は、「ワークライフバランス(仕事と生活のバランス)という言葉が間違った意味で語られることが非常に多いと感じる」と述べる。「『バランス』という部分が、時間とエネルギーを(仕事と生活に)等しく振り分けると思わせるが、実際は必ずしもそうではない」と語る。
では、「ワークライフバランス」が正確な言葉ではないとしたら、一体どんな言葉が正しいのだろうか。専門家たちは、この概念をより良く理解するのに役立つ代わりの言葉をいくつか提案している。
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Work-life fit(ワークライフフィット、仕事と生活の適合)
労働文化戦略家カリ・ヨースト氏は「ワークライフフィット」という言葉を使っている。その理由は、現状持っていないバランスに目を向けるのは難しく感じるが、合わせることなら可能と思えるためだという。
ヨースト氏は、例えば月に1回「在宅勤務」の日を作るといったごく小さな変化でも、自分に最適だと思う環境を見つけ出すのに大いに役立つと語る。
Work-life integration (ワークライフインテグレーション、仕事と生活の一体化)
「ワークライフインテグレーション」は、女性のためのハイテク業界専門求人サイト「パワー・トゥ・フライ」の共同創業者、キャサリン・ザレスキー氏が推奨する言葉だ。起業家として多忙な日々を送るザレスキー氏は、仕事を私生活に持ち込まなくてはならない時もあれば、私生活を仕事に合わせる方法を模索する時もある。