米上院税制改革法案、112兆円の財政赤字増も JCT試算
ニューヨーク(CNNMoney) 米議会両院税制合同委員会(JCT)は30日、上院共和党の税制改革法案について、今後10年間で4080億ドル(約46兆円)の歳入を新たに生み出すだけの経済成長をもたらす可能性があるものの、この追加歳入を加味しても、同法案により財政赤字が推定1兆ドル(約112兆円)増える見込みだとの試算を発表した。
共和党側は、経済成長に向けた特効薬として自党の税制改革計画を大々的に打ち出していた。だが、これにより生み出される追加的な経済成長をもってしても、法人・個人減税を含む同法案の措置のコストを補うには十分でないことが示唆された形だ。
JCTのマクロ経済分析では、同法案による減税やさまざまな税制優遇措置の撤廃、海外課税制度改革のほか、労働参加率、雇用、消費など、複数の要素の相互作用を考慮に入れた。
JCTは今回、同法案により最初の数年は労働力供給や投資が増加すると推定。しかしこうした効果は、法案内の多くの措置の期限が切れる2025年以降には減少する見込みだとしている。
一方、共和党主導の上院財政委員会の報道担当者は、JCTの分析が発表された直後に反論。上院の税制改革法案は発展中で、今週の本会議で修正が加えられる見通しだとし、JCTの分析はこうした最終案を反映していないことから不完全だと主張した。
上院共和党は1日までに同法案を採決にかけたい考え。