経済苦境のベネズエラ、仮想通貨導入へ 米の制裁に対抗
ニューヨーク(CNNMoney) 南米ベネズエラのマドゥロ大統領は3日、「ペトロ」と名付けた仮想通貨を導入する計画を発表した。米国による制裁に伴う「金融封鎖」を打ち破る狙いがある。
仮想通貨は複雑なアルゴリズムを使ってコンピューター上で「採掘」する実質上の「貨幣」。最も有名で広範に利用されているものにビットコインがある。
マドゥロ大統領はベネズエラの仮想通貨について、国内の石油、金、天然ガス、ダイヤモンドといった天然資源により保証されると説明した。
ベネズエラの原油埋蔵量は世界一だが、石油の生産量は13年ぶりの低水準を記録している。関連企業が代金の不払いを理由に操業を停止しているためだ。
今回の仮想通貨の導入がベネズエラの深刻な金融危機の解決策となる公算は小さい。
複数の格付け会社によると、ベネズエラ政府と国営石油会社PDVSAは先月、ともに一部の債務に関してデフォルト(債務不履行)に陥った。多くの専門家は、これにより合計およそ650億ドルに上る債務の支払いも不可能になるとみている。その場合、国内の食料品・医薬品の不足に拍車がかかる事態が想定される。