米の原油生産量、年内にも世界一奪回か 調査会社予測
ニューヨーク(CNNMoney) 米国の原油生産量が年内にも日量1100万バレルに増大し、ロシアやサウジアラビアを抜いて世界一になる可能性があることが4日までに分かった。ノルウェーの調査会社リスタッド・エナジーの報告書で明らかになった。
シェールオイルの生産増大を受けた予測で、「水圧破砕法(フラッキング)革命」により米国がエネルギー大国になっている状況を浮き彫りにしている。トランプ米大統領はかねて、規制緩和により変革を加速させると言明。こうした長期的変化により、米国は政情不安定な中東など海外の石油への依存度が少なくなっている。
サウジ主導の石油輸出国機構(OPEC)が2015年後半に価格競争を仕掛けて以降、米国の石油生産は伸び悩んでいた。
OPECの動きはシェールオイルなどを扱う業者に奪われた市場シェアの奪回を狙いとしたもので、原油価格は供給過剰の影響により1バレル=100ドル前後から同26ドルに下落。テキサスやノースダコタなどの州のシェール企業は生産削減を余儀なくされていた。
米エネルギー情報局(EIA)によれば、国内生産量は2016年9月に日量855万バレルと底を打った。米石油業界は去年、テキサス州西部のシェール生産地帯にけん引されて大きく回復。原油価格の上昇に加え、フラッキングを安価で容易にする新技術の開発も追い風になった。