次のW杯はカタール、ビジネスチャンス狙う地元起業家たち
とはいえサウジアラビアやUAEなど近隣4カ国が昨年、カタールがテロ組織を支援し、イランと親密な関係にあるとして断交を表明。カタールへの輸出を禁じている。この状況が続く限り、カタールに拠点を置く企業が事業を拡大し、中東の他の、より大きな市場に進出するのは困難になる可能性もある。
好機をどう生かすか
このようにさまざまな困難はあるが、アーベックスのエルダス氏は依然として意欲的だ。
エルダス氏は、最も重要なのは、22年のW杯をめぐり地元の起業家たちが得ている注目や支援を活用して、アーベックスのような新興企業が新たな職やビジネスチャンスの創出に貢献できることを示すことだと考えている。
エルダス氏によると、小規模の民間企業やスタートアップ企業のコンセプトがカタールで一般に知られるようになったのは、ここ5年のことだという。
世界最大のサッカーの祭典であるW杯をきっかけに、カタールの若い起業家たちの才能や能力に注目が集まれば、それこそがカタールが誇れるレガシーとなる、とエルダス氏は語る。