マレーシア、中国主導の大型鉄道プロジェクトを中止
香港(CNNMoney) マレーシア政府は、中国が後押しする長距離鉄道建設の大型プロジェクトについて、コスト過剰を理由に中止したことを明らかにした。
計画では、マレーシアの東海岸と首都クアラルンプール、タイを結ぶ全長620キロの「東海岸鉄道」の建設が予定されていた。中国にとっては、アジアの先にある市場と中国を結ぶ貿易ルートになるはずだった。
建設工事の大部分は、中国国営の建設会社が受注。資金の85%は中国輸出入銀行が融資していた。
マレーシアのプロジェクト管理会社は、4日に中国の建設会社に対して工事の中止を指示したことを確認した。それ以上のコメントは避けている。
マレーシア国営通信によると、この前日にはマレーシアの財務相が、同プロジェクトの予算総額は810億リンギット(約2兆2100億円)に達し、当初の見積もりを大幅に超過していると発言。プロジェクトの採算を取るためにはコストを大幅に引き下げる必要があると語った。
マレーシアのマハティール新首相は、中国の影響力を抑えると公約しており、東海岸鉄道の建設中止はこの公約を守る姿勢の表れと受け止められている。
対照的に、ナジブ前首相は中国が掲げる「一帯一路」の構想を推進。調査会社ギャブカルによると、ナジブ政権下のマレーシアは、中国の主導で推定340億ドル(約3兆7600億円)相当のインフラ建設プロジェクトを契約していた。
マハティール首相は、そうしたプロジェクトの条件についても中国政府と交渉する意向を示している。