自動運転車、2021年までに公道走行実現へ 英政府発表
ロンドン(CNN) 英政府は6日、2021年までに自動運転車が英国内の公道で全面的に利用できるようになるとの見通しを発表した。
英政府は、自動運転車の実験を促進させる計画を発表しており、新技術によって実現に1歩近付いた。英運輸省は、「2021年までに完全な自動運転車が英国の公道を走行できるようにするという公約は、実現の途上にある」とする声明を発表した。
自動運転車の安全性をテストするための実施基準を強化する計画も発表された。新規定では、自動運転車の実験を行う者に対し、安全情報や性能報告書の開示、リスク評価の実施を義務付ける。関連機関や緊急サービスにも告知する必要がある。
運輸省は今回の発表について、つながるクルマや自動運転車の市場を大きく押し上げる効果があると位置付け、市場規模は2035年までに推定520億ポンド(約7兆3900億円)になるとの見通しを示した。
ただし、近いうちに英国の公道で自動運転車が一般的になるという見通しには疑問を投げかける声もある。
コンサルタント会社PAコンサルティングの専門家、チャーリー・ヘンダーソン氏は「自動運転車の公道走行には6~7つの要素があり、技術はその1つにすぎない」と指摘する。
同氏は法令や交通取り締まり、保険などの要素に加え、最も大切な要素として歩行者や自転車などの道路使用者を挙げる。自動運転車を極度に安全な設計にすることも可能だが、その場合、「ものすごい低速」になり、渋滞や事故を引き起こす可能性もあると同氏は述べ、「これは単なる自動運転車だけでなく、人との関わりの問題であり、あらゆる行動の変化について徹底的に考える必要がある」と話している。