FCA、ルノーに経営統合を提案 実現すれば業界3位に
ニューデリー(CNN Business) 仏自動車大手ルノーが欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FAC)との経営統合について検討を進めていることがわかった。経営統合は自動車業界の世界的な再編につながるほか、両社にとって電気自動車(EV)や自動運転車の開発競争で役立つ可能性がある。
ルノーは27日、FACからの提案について検討していると明らかにした。両社の年間販売台数は計870万台。
経営統合が実現すれば、世界第3位の自動車メーカーが誕生することになる。世界の販売台数の首位は独フォルクスワーゲン(VW)で2位はトヨタ自動車。米ゼネラル・モーターズ(GM)は4位に後退する。
両社はこれまでも生産や新技術での協働で話し合いを進めていた。しかし、FACによれば、経営統合のほうが、より多くの恩恵を得られる可能性があるという。FACは、「こうした話し合いで明らかになったのは、提携を通じたより幅広い協業が資本効率や商品開発のスピードを大きく向上させる可能性があるということだ」と述べた。
FACは「ジープ」や「ダッジ」「アルファロメオ」「マセラティ」といったブランドを保有し、北米市場で上位の売り上げを誇る。一方、ルノーの北米市場でのシェアは小さい。
FACによればルノーとの経営統合で年間50億ユーロ(約6100億円)超のコストを削減できる見通し。経営統合を受けて閉鎖される工場はないとしている。
ルノーは日産自動車と三菱自動車の3社で自動車連合を形成している。今回の経営統合が実現した場合、日産や三菱自との自動車連合にどのような影響が及ぶのかは不透明だ。