対メキシコ関税を「無期限停止」 トランプ氏、移民対策の合意受け発表
(CNN) トランプ米大統領は7日、メキシコ製品に対する関税発動を「無期限で停止する」と表明した。メキシコ側との協議で移民対策をめぐる合意に至ったとしている。
トランプ氏はツイッターで「米国がメキシコと署名を伴う合意に達したことを喜んで報告する」と言及。10日に予定されていた関税発動を無期限で見送る考えを明らかにした。
トランプ氏が関税発動を突然表明したのは先週。米国への移民流入を阻止するよう、メキシコ政府に一段の圧力をかける試みだった。その後トランプ氏が欧州歴訪に向かい、大部分の時間を国外で過ごすなか、交渉担当者は貿易戦争の新たな拡大を避けるべく懸命の取り組みを行っていた。
米首都ワシントンでは、メキシコ当局者とトランプ政権が3日間にわたり集中的な討議を重ねた。メキシコのエブラルド外相と米国務省による7日の協議は11時間以上に及んだ。
トランプ氏は欧州から帰国した7日遅く、メキシコ当局者が自らの要求に応じたと言及。「メキシコは同国経由で米南部国境に向かう移民の流れを止める強力な措置を講じることに同意した」と述べた。
両国の共同宣言では、非正規移民の抑制策を強化するためメキシコ側が「前例のない措置を」講じると説明。警備隊を全土に配置し、メキシコの南部国境で重点対応するとしたほか、人身売買取引を排除するために「断固たる行動」を取るとしている。
両国はまた、亡命目的で国境を越えた者を「速やかに」メキシコに送還することでも合意した。送還者はメキシコ側で亡命申請をめぐる裁判所の判断を待つことになる。メキシコ側はこうした個人の入国を許可し、仕事や医療、教育を提供するという。
メキシコから米国への移民は急増し、米国の移民や国境警備の当局の人員等は逼迫(ひっぱく)している。5月だけで13万3000人が不法入国し、うち1万1000人は親と離れた子どもだった。